清水側の視点で考えてみる。
まず長谷川監督の試合後のコメントから抜粋。
「前半に何度かゴール前で危ないシーンがありましたし、後半も裏に抜けられて危ない場面もありましたが、こちらも勝たなければいけない状況なので、リスクを負って攻めようという気持ちはありました。多少は守備のアバウトなところがあっても目をつぶって、攻撃で結果をと思っていましたので、あまり細かいところに目くじらを立てるということはしませんでした。逆にそうでないと、こちらのチャンスも生まれないと思っていました。もちろん、サイドを宇賀神選手に上がられてクロスを上げられてというのはありましたし、エジミウソン選手にチャンスをつくれてというのもありましたけれど、最後のところではよく体を張ってくれたんじゃないかと思います。」
そしてハーフタイムのコメント。
「・集中していい戦いができている
・守備ではゴール前で寄せをしっかりとすること
・残り45分、みんな気持ちを一つにして、何とか勝ち点3をとろう」
このコメントではハッキリとは言っていないけど
いつも正直なコメントをする長谷川監督のこのコメントから試合を読み解いてみる。
1 >多少は守備のアバウトなところがあっても目をつぶって、
2 >・守備ではゴール前で寄せをしっかりとすること
永井さんがアバウトな守備をしていたね(笑)。
それはともかくとして、浦和の攻撃の生命線はサイド攻撃にある。
ところが同時に、サイドからクロスを上げても中に高さが足りないという問題もかかえている。
ゆえにフィンケは、サイドをえぐってグラウンダーのパスでフィニッシュに持ち込むというコンセプトを持っている。(中で背の高い選手が高さで合わせる攻撃は嫌いともコメントしている)
こういう相手との試合では、まず、最初に注意すべきは、
ディフェンスラインと中盤との間、特に中央での楔を作らせない、ということ。
浦和ではエジミウソンや4-2-3-1の3がその楔にあたる。
ここで自由に動かれて、中央からスルーパスを通されたり、ドリブルやワンツーで抜け出されないようにすること。
これさえ出来れば、サイドにボールを展開されても構わない。
サイドからクロスを入れられても、高さで注意すべきはエジミウソンのみで、
中央での高さの攻防では清水が圧倒的に優位だ。
毎日の練習でヨンセンを相手にクロス対応をしているのだから慣れた守備でもある。
ディフェンスラインを低く設定して、さらにMFとDFの間をつめてコンパクトにして
中央突破を許さなければ、清水にとって守りやすい状況になる。
これが「アバウトな守備でよい」「ゴール前の寄せをしっかり」という意味につながる。
これを今度は浦和目線に戻って見てみると、
得意のサイド攻撃を狙う浦和は、清水のサイドを次々と攻める。
中の高さが足りない部分は、前半から堀之内が再三、エジと同時に中に飛び込んでいくことで解消。
いくつかチャンスを作るも、一度中央に楔を作ってからサイドへ等のアイデアが無く、
常に空いているサイドばかりを狙って攻める為、中をガッチリ固める清水の守備を崩しきるには至らない。
中を固めてシュートコースや入り込むスペースを与えないことで、
簡単にシュートコースを限定、予測でき、浦和のシュートチャンスにもGKの西部が慌てる場面はほとんど無かった。
つまり、サイドで優位を保っていると思われた浦和の攻撃は、
実は清水にあえて自由を与えられ、ボールを持たされていたのだ。
空いているスペースから空いているスペースへとパスを繋ぐばかりで
清水の中央の守備を崩す「勝負」のプレーが皆無であったことが、
チャンスは作れど決定的なシュートにつながらなかった原因。
最後は浦和が消耗したところで清水がフレッシュな選手を投入。
そして前半から再三に渡って相手ゴールに飛び込んでいった堀之内は
「右のふくらはぎがつってしまった」として、交代を余儀なくされる。
これによって浦和は攻撃時の高さだけでなく、守備においても高さを1枚失ったことになる。
さらには、サイドで清水の狙い通り走らされた宇賀神も足がつって交代。
そして宇賀神に代わって左サイドにシフトした細貝が相手につききれずクロスを上げられ
中で対応するのはクロスへの対応が不得意な鈴木・・・。
狙い通りに浦和を消耗させ、勝負どころを読みきった長谷川監督の完勝といえる。
敵の手薄な場所(スペース)ばかりを攻めていると
最後は敵の守備が厚い場所(スペースが無い)が残り、
フィニッシュでシュートコースが無くなる。
手薄なスペースを探すばかりで、スペースを作る工夫が無い試合だった。
これをどう見れば「良い内容」と言えるのかがわからない。
必然が重なって負けるべくして負けたように思える。
・・次回は「前半に何度も見られたバックパス時の致命的なミス」から検証。
0 件のコメント:
コメントを投稿